吉田寮の老朽化については、1960年代頃から指摘がなされてきました。「在寮期限」闘争*¹の際には、大学側は吉田寮を老朽化を理由に廃寮しようとしました。当時の寮生などが廃寮反対の運動を行った結果、最終的に「在寮期限」は撤回され吉田寮は存続することとなりましたが、当時の寮生は「今後も吉田寮自治会を存続させ、福利厚生施設として維持していくためには、寮の老朽化問題を何とかしなければならない」と考えました。自治会は「在寮期限」を経て、建物の老朽化の問題に取り組んできたのです。当時、その解決策として挙げられたのが、新寮建て替えです。それから何年もの間、吉田寮は大学側に対して新寮を求めてきました。しかし、寮生の自治による運営を重視する自治会の求める新寮と、文科省の学寮に関する方針とのすれ違いがあり、自治会の求めるような新寮を建設することが難しい状況が見えてきました。
*1 「在寮期限」闘争……1970年代に大学側は吉田寮に「在寮期限」を設定して廃寮化しようとしたが、当時の寮生らがこれに抗議し廃寮反対運動を拡大した結果、吉田寮は廃寮化を免れた。この一連の経緯が在寮期限闘争と呼ばれている。
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