2011-08-10

5.食堂の現状 ~食堂は補修可能です!~



吉田寮自治会は、上記のような意義を持つ食堂を、補修して残していきたいと考えています。そしてそのことについて、大学当局と話合いを行ってきました。今のところ大学当局は食堂に関して「おそらく耐久性、技術面などを考慮すれば、補修という選択肢は現実的ではなくなるだろう」ということを述べています。また大学の敷地を「有効に」活用するうえで、食堂を残しておくことは望ましくないという意思を見せています。食堂を今後どうしていくかということはまだ話合いの最中であり、決定はしていません。

実際食堂に関して、本当に補修して残すことが可能なのか、と思っている方は多いでしょう。しかし、木造建築の専門家によれば、食堂を補修することは可能、しかも全くもって現実的だということです! 木造建築は鉄筋コンクリートの建物とは違い、メンテナンス続けていけば半永久的に使用できるものです。現食堂についても、食堂を建った当時の状態に近付けるような補修が可能であり、そのような補修は金銭的にも現実的で、かつ耐震の問題も十分に解決できるということです。

そもそも吉田寮は、今でこそ「お化け屋敷みたい」などといわれる建物ですが、建てられた当時(大正3年)には当時の一流の技術者が学生の寄宿舎として、よい木造建築としていつまでも使えるようにと、最高級の素材と最先端の技術を用いて建てあげたものなのです。現寮や食堂に関しては、諸所の装飾や木の組み方などにもそれが表れています。だからこそ築98年たった今でも、建てられた当時から恒常的なメンテナンスはほとんどなされなかった(これは大学当局の怠慢といわざるをえません!)にも関わらず、現寮については、土台はゆがみや亀裂が入ることもなくしっかりしており、床下の通気も非常に良好な状態で保たれているのです。食堂も同様で、屋根の木組みなどはしっかりしており、とてもいい状態で保存されているとのことです。みなさん、吉田寮が木造であったり古い建物であるからといって、その見た目やイメージだけをもとに、今にも崩れそうだとか、もうこれは建替えるしかないだろうなんて思っていませんか。それは大きな間違いです。

さらに吉田寮の木造建築には建築としての価値もあります。全国的に見ても、これほど古い木造の寄宿舎として現存しているものは吉田寮のほかにありません。またなによりも、上でも述べたように歴史が目に見えるかたちで残っているという点で貴重だといえるでしょう。建てては壊し、というふうに建物を消費していくことが一般的になっているなかで、まだ補修すれば十分に使っていける吉田寮の木造建築を、今後も補修して大切に使っていくということは、非常に意義があることではないでしょうか。こういうわけで私たちは、食堂を補修したいと思っているのです!

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